―――そして。




「……あの。天王子…?」


「………」


「ずっと黙ってるけど…」


「………」


「……あの。なんか怒ってる?もしかして」


「………」


「あの……」




まるでお地蔵様と会話してる気分だ。







あれから真っすぐマンションまで連れ帰られた私。




「……天王子。ホントにありがとう…」




私と天王子の部屋の、ちょうど中間で。



そう言って自分ちに帰ろうとした私は





「お前やっぱちょっと来い」





強引に天王子の部屋に連れ込まれ、今に至る。





私をベッドに座らせてペットボトルの水を渡してきた後は、ずっと少し離れたところの椅子に座って、黙りこくったままの天王子…





……空気のシンという音が耳に痛い。