「…何で…ここが分かったの?」
天王子はギュッと眉をひそめた。
「妃芽に…聞いた。ここにいることも…他にも色々」
「…そっか」
「おまえさ…何で」
そのとき、背後に現れた影。
いつの間に起き上がったのか、パイプ椅子を持ったリュウがそれを天王子に向けて振り上げていた。
「…天王子危ないっ…!」
「…は…」
天王子が振り向くより一瞬早く、思い切り振り降ろされたパイプ椅子。
「っや…」
悲鳴にならない声が漏れた。
背中を殴られた天王子が倒れ込む。
…嘘でしょ…!?
「…シネ」
リュウがもう一度振り上げる。
「やめて…!お願い…!」
天王子が死んじゃうっ…!
頭が真っ白になったそのとき
突然視界の隅に現れた影。
「…わお、我ながら最高に綺麗にはいったわー」
華麗な飛び蹴りをリュウに命中させ、満足そうに笑っているのは
「水川開人!?」



