ゾクリ。
鳥肌がたった。
慌てて逃げようとしたけど、体を起こしかけた私の肩を思い切りつかんだリュウが固い床の上に押し倒す。
「…っ、」
あまりの痛さと恐怖にじんわり涙が滲んだ。
そのまま馬乗りになったリュウがニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべる。強い力で体を抑え込まれていて動けない。
…やだ。無理。重い。きもちわるい。こわい。
このまま…やられちゃうの?
「…ん?どうした?さっきまで強気だったのに」
リュウが手を伸ばして私の頬に触れる。
チロ、と口元から赤い舌がのぞいた。
「でも…泣き顔ってそそられる」
「…っ、へ…変態!」
「ふっ…もっと泣かしてやるよ」
リュウが私の首元に顔をうずめた。
生温かい感覚が首筋を這う。
やだっ…助けて…だれか…
「天王子…!!」
バンッ…!!
大きな音がして、見ると
肩で息をした天王子が、ドアの向こうに立っていた。



