人は追い込まれた時ほど、隠された力を発揮するものである―――by 私
「…チッ…おまえ、ネズミか?チョロマカしやがって…」
リュウが跳び箱の上に乗った私を下から睨みつける。
「まーねっ!前世はネズミかもねっ!」
なんて胸を張ってみたけど、果たして自慢できることなのか?と言った直後にふと思った。
…まぁいいや!細かいことは!
一時は絶体絶命かと思われたが、私は自分でも驚くほどの素早い動きで逃げまくり、リュウを翻弄している。
自分でも知らない才能があったことに感動していた。
「言っとくけどね!あんたみたいな男に簡単にやられたりしないんだから私は!バーカ!アーホ!青いカラコン似合ってない!」
跳び箱の上にリュウが登ってこれないことが分かった私は、ここぞとばかりリュウを口撃する。
「…ハァ」
リュウがため息をついた。もしやメンタル的にダメージを!?と思ったけど、
「おまえブッコロス」
どうやら怒りに火をつけただけらしい。
リュウが思い切り跳び箱を蹴飛ばした。
「っわ…痛っ!」
あっけなく落下した私。
リュウが温度のない目で見下ろした。
「遊びは終わりだ」



