天王子が保健室は死んでも嫌だ、病院も絶対に嫌だ、いつも寝ていれば良くなるというので、私は学校前で運良くつかまえた流しのタクシーに乗り込み、天王子の家に向かった。


タクシーの中でみのりにラインを打つ。急用ができて早退するとだけラインした。みのりは何かを察知したのか、特に深堀もせず「了解!先生にうまく言っとくね」とだけ返事がきた。



天王子は……どうしよう。




「…心配ねーよ」



椅子に背を預けてグッタリと目を閉じていた天王子が薄目を開ける。




「俺しょっちゅうモデルの仕事で早退するし。今回もそう思われるだけだろ多分」



「そうなの?」



「信頼されてるからなー、俺。教師からも」




そしてまた目を閉じる。



顔の発疹は治まらない。腕や首も赤くなっている。





…大丈夫なのかな、本当に。