!!!!




衝撃の生キスに固まる私。


突然すぎて目を逸らすことすらできなかった。




少しして、妃芽ちゃんの両肩をつかんだ天王子がグイッと強く引き剥がした。





「…っやめろ」



「…何で!?何で一花ちゃんはいいのに私はダメなの!?私の方がずっと…!」



「村田がどうこうじゃない、ただ」





天王子が妃芽ちゃんの肩から手を離す。





「妃芽じゃダメだ」



「…っ」





妃芽ちゃんがガクリとその場に崩れ落ちる。天王子はそれに「…悪い」とだけ言って、理科室を出て行った。





静かになった理科室の中。妃芽ちゃんの嗚咽だけが響いている。





「…ひ、妃芽ちゃん…」




妃芽ちゃんに駆け寄ろうとすると、




「来ないでよ!」




強い声に拒まれた。




「心配するフリとかしないでよ、超ムカつく。私がフられて喜んでるんじゃないの!?」


「…そ、そんな…こと、」


「消えて」




妃芽ちゃんが顔を上げる。涙で濡れた瞳で、キッと私を睨みつけていた。




「今すぐ目の前から消えて!」



「……わかった」