愛されプリンス½





「…お前ってさ」




そして耳元でしみじみと言う天王子。




「ほんと大して可愛くねーし貧乳だし従順じゃねーし生意気だし最悪だよな」



「…えっと」




喧嘩売ってるのかな?



「でも」



天王子の顔は見えないけど、私を抱きしめる体は熱い気がした。




「はじめはだたの女アレルギーの治療手段だったのに。…どっちかというと薬物だよなお前」



「…は?どういうこと?」



「…クセになる」





天王子が私の体を離す。



真っ直ぐ見つめてくる瞳は、見たことない熱を宿していた。




「…タチ悪」




天王子が私の後頭部に手をまわして引き寄せる。





―――天王子には妃芽ちゃんがいるのに。頭では分かってるのに。






まるで絶対に逆らえない重力みたいに。






私はゆっくり目を閉じていた。