愛されプリンス½





「な、なに!?寝たふり!?」


「ちげーよ起こされたんだよ、誰かさんが俺の顔を愛おしそ~に撫でてくるから…」


「はぁ!?誰が愛おしくなんかっ…」


「あーお前うるさい。寝起きの頭に響く」




天王子が気怠そうにそう言って体を起こす。だけど私の手首はつかんだまま。私は天王子に聞く。




「…これ何」


「…何って何」


「…教室戻りたいんですけど」


「つーかお前何しに来たの?」


「スマホ忘れて取り来た。…そっちは何でこんな所で爆睡してんの」


「…別に。最近寝てねーんだよ、ここ意外と穴場なんだよな」


「…ふーん。モデル忙しいんだ」


「…はぁ?別に、そういうわけじゃねーよ」



ふいっと天王子が顔を逸らす。だけど私の拘束は解かないまま。



振り払おうとしたら、ギュッと強い力で引き戻された。


ついでに睨まれた。不機嫌そうに。




「…あの…何か用事?」



片思いしている人間にわけもなく、こんなことしないでほしい。



「……別に」


「だったら…」


「座れよ」



天王子に強い力で引っ張られて、無理やり椅子に座らされた。




…一体なんなの?