愛されプリンス½





ガラガラ、と理科室のドアを開ける。


中には誰もいなくてシン、としていた。



騒がしい教室とは何だか別世界みたい。




スマホあるといいんだけど…




私は自分が座っていた席まで駆け寄った。




すると特に探し回ることなく、机の上に置かれた私のスマホを発見。




よかったぁ。



思わず、ほ、と息を吐き出して帰ろうとした。



だけど、




「ひぃっ!!」




私の悲鳴が静まり返った理科室に響いた。





無理もない。



だって、誰もいないはずなのに、後ろの机から人の足だけ飛び出して見えるんだもん…!




「な、何…?」




恐る恐る近づくと。




パイプ椅子を5個繋げて器用に寝転んでいる、天王子がいた。




しかも、爆睡している…。





「…嘘でしょ」




誰に言うでもなく呟いた。



何でよりによってコイツなの…。