―――それから数日が過ぎた。




「ねー知ってる?なんか駅前に新しい雑貨屋できたらしいよ」


「うそ、マジで?」



昼休み、私は今までと変わらずみのりとお弁当を食べていた。



今日も自作の豪華なお弁当を食べながらみのりが言う。




「なんか安くて超可愛いんだって!今日の放課後暇だったら行こうよ」


「おっけ~」




昼休みは毎日みのりとお弁当を食べて、たまに放課後寄り道とかして。




今までと変わらず、相変わらずだけど、楽しくてそれなりに充実してる。



きっとこういう風に毎日楽しく過ごしてれば、あいつへの気持ちもいつかなくなる。それを信じて、なるべく考えないようにしてる。



今日は少し遅くなるとお母さんにラインをしようとして、スマホがないことに気付いた。



…あれ、何で?今日学校で何回かいじったよね…?




「どうしたの?」



ほうれん草のおひたしを口に運びながら、みのりがポケットをひっくり返す私を見て不審そうな顔をする。



「なんかスマホなくて」


「うそ、もしかして理科室に忘れてきたんじゃない?」


「あー、そうかも!」




昼休み前、四時間目は理科室で授業だった。



理科室でスマホを見た記憶があるから、きっと間違いない。




「ちょっと私とってくる!」




誰かに取られでもしたら大変だ。


私は慌てて席を立った。