「ほんとに~?」


みのりはまだ疑わし気だ。


「ほ、ほんとだよっ!」



…ごめんみのり。


私嘘ついてる。



ほんとは、みのりには全部話したいのに。



私はどうしても、絶対に



「だったらいいけど。なんか悩み事とかあるならすぐに相談してよね?」


「う、うん…ありがと、みのり」



みのりには絶対に嫌われたくない。




「あ、ていうか一花に見せたいものがあったんだった!」



思い出したように箸を置いたみのりが、机の中から一冊の冊子を取り出した。



「ん?何それ」

「なんか、プリンスのファンクラブが独自に刊行することになった雑誌だって。その名も」

「プリンス倶楽部…?」



なにその、絶妙にダサい響きは…。



「で、すごいのがこの中身よ!見てここ」


「ん…?」



何か寒いものを覚えながら、恐る恐るみのりが開いたページを覗き込むと、





~~🌸プリンス、1日のご様子🌸~~


8:15 今日も素敵な笑顔でご登校。よく晴れた空もプリンスを祝福しているかの様。

10:45 数学の授業にて。応用問題の解答を颯爽と黒板に模写するプリンス。華麗なチョーク捌きに我々も、惚れ惚れ。

12:30 昼休み。購買にて焼きそばパンを購入するプリンス。お釣りはいらないと、男前な姿勢を見せるプリンス。

14:20…




「……これ…ギャグ?」

「いや書いてる人たちはいたって真剣だと思うけど」



ちょっと待て。ドン引き通り越して発熱しそうだよ。