愛されプリンス½





「すっごい偶然!」



私と樹くんの席に駆け寄ってくる妃芽ちゃん。


ペコリと樹くんに軽く会釈をすると



「…もしよかったら私と玲もご一緒させてもらっていい?」


「…は!?」



そんな提案をしてきた。



「いや、あの…」


「玲~!ここ座ろ!」



まだ返事をしていないのに天王子を呼び寄せる妃芽ちゃん。椅子をひいて、私の隣に腰をおろした。



…嘘でしょ!?



案の定天王子は渋い顔だ。



「…おい妃芽、ふざけんな」


「ふざけてないよー!大勢の方が楽しいでしょ?」



ニコニコ笑う妃芽ちゃんは純粋にこの偶然を楽しんでいるように見える。



そんな妃芽ちゃんの様子に諦めたのか、天王子は深いため息をつくと気怠そうに歩いてきて、仏頂面で樹くんの隣に腰をおろした。




「…久しぶり」



樹くんが声をかけるけど、チラッと樹くんを見て何も言わず視線を逸らす天王子。




…感じ悪。