「ごめんね、あの、樹くん…」



必死に言葉を探していると、



カランコロン、と軽やかに鳴る鈴の音。



「わぁ~、ここずっと気になってたんだよねぇ~」



続いて聞き覚えのある可愛らしい女子の声。




この声、って…




顔をあげると、バチッと視線がぶつかった。



その相手――妃芽ちゃんが目を丸くして私を見ている。




「うそっ、一花ちゃん!?」



そしてその後ろから入ってきたのは。



「妃芽、歩くの早…」



妃芽ちゃんの後から入ってきた天王子が、私を見て大きく目を見開いた。




「……お前」


「…天王子」





…なんて日だ。