「ちょっ、な、何を…!!」

「ファンクラブ会長にでもラインで送っちゃおっかなぁ、俺の彼女です♡って」

「はぁ!?」


返して!!と奴のスマホに手を伸ばすも、ヒョイッと余裕で躱される。


遥か頭上にあるスマホ。ジャンプしたって届きやしない。

そしてそんな私を見て面白そうにニヤニヤしているプリンス。


ホントになんて性格悪い奴なの!?



「そ、そんな写真、ウソの写真だもん!」

「いや本当だろ。現に今キスしただろ?俺たち」

「そ、そそ、それはあんたが…!私は彼女じゃないし!」

「お前が何言ったって無駄だ。
ファンクラブの奴等は俺とお前、どっちを信用すると思う?」

「それは…!」



“そんなのファンクラブの奴等に聞かれたら殺されるよ!?反逆罪だよ!?”


“は、反逆罪って…”



不意に、昨日みのりとしたばかりの会話が思い出される。



“もしこの学園内に彼女なんて出来ちゃったらファンクラブが黙っちゃいないでしょ”



「………」


黙りこくった私を見て、プリンスが満足気な笑みを浮かべた。


「それにファンクラブだけじゃない。学校中にこの噂、それこそ秒で広まるだろうなぁ。もちろん、お前のお友達にも」

「っ…!」