愛されプリンス½





…私も前に、天王子と休日一緒にいるのが目撃されて、九条先輩に呼び出されたことがある。



あのときは天王子が九条先輩に釘をさしてくれたから、たぶん私は無事で済んだ。



だから妃芽ちゃんを助けられるのは、やっぱり




「妃芽ちゃん、天王子に言おう?このこと」


「絶対に嫌」




だけど妃芽ちゃんはきっぱりとそれを拒否する。




「玲には言わない。絶対に」


「何で?九条先輩だって、天王子に言われれば…」


「このくらいで私は傷つかないから」




妃芽ちゃんが凛とした瞳で私を見る。




「だから一花ちゃんも、玲には絶対言わないで」


「…でも」


「言ったら一生許さないから」




それだけ言い残して、妃芽ちゃんは踵を返して廊下を歩いていった。