…この男。
とんでもないナルシスト発言。
世界中の女は自分に興味あって当然って思ってる。
だけどのそのときの天王子の瞳が、少し自信なさげに揺れているような…気がして。
不覚にも一瞬、言い返すのが遅れてしまった。
「…だって性格悪いもん」
それだけ言い返すと、天王子の眉間にギュッと皺が寄って。
それからフッと息を吐いて、次の瞬間にはいつもの、涼し気なムカつく笑みを浮かべてた。
「バカかお前。俺くらいいい男になれば性格なんて悪くても許されんだよ」
「バカはそっちでしょ?顔なんて慣れちゃえばすぐ飽きるんだからね!」
「わかってねーなぁ」
クイッと顎を持ち上げられる。
強制的に合わさった視線。
「俺から逃げきってからそう言えよ」
「…はい?」
「決めた」
天王子が私の顎から手を離す。
そして立ち上がると、私を偉そうに見下ろした。
「オトしてやるよ、お前のこと」



