愛されプリンス½





な、何でわかったんだろう!?エスパー!?




樹くんが私から、アイスコーヒーの入ったカップに視線を落とす。




「もしかして一花ちゃん…天王子くんのことが好きなの?」


「……はぁ?」



や、やばい。


あまりに有り得ないことを言われたもんで、めちゃくちゃ素の声が出た。



咳払いして、慌てて声を作り直す。




「何言ってるの樹くん、それはない。ありえない」



「でも、こないだ天王子くんが席を立ったとき、後を追いかけていったでしょ?」




…天王子が女子に抱き着かれて、トイレに行ったときのことだ。





「それは…」


「天王子くんが先に帰っちゃった後、なんか一花ちゃん機嫌悪かったし」



「え!?」




そ、それはあの時あいつにムカつく態度を取られたからで。



って、そのムカついてるのは全く表に出してないはずだったのに…バレてた!?




私が分かりやすいのか、はたまた樹くんが鋭いのか…。





でもどちらにしたって、私が天王子のことを好き?




その考えは外れてる。