「チッ…めんどくせーな」



それを見た天王子がうざったそうに舌打ちをする。



私に向きなおると、なぜかじっと見つめてきた。




「…え?なに…?」



なんか今日の天王子おかしくない?




「…今日行けねーから」



しばしの沈黙の後。重々しくそう言い放った天王子。




「…どこに?」


「お前んち!行けねーから!撮影!」




あぁ…そういうことか。


って、別にわざわざ言わなくてもいいのに。毎日来てるわけじゃないんだし。




「ふーん、そうなんだ。で?」


「で?って…」




なぜか天王子はワナワナ体を震わせると




「それだけだ!じゃーな!!!」




そう言い放ちクルリと私に背を向けた。



校舎の影から出た天王子にすかさず気付いた女子たちが「キャ~~~ッ!!」と歓声をあげる。



それに笑顔で応える天王子。



さっき「めんどくせーな」って舌打ちしてたのが嘘みたい。ほんと猫かぶり。二重人格。裏表男。




…それにしてもあいつ。



一体何が言いたかったんだろう…?