「お前…今日の体育見てただろ」


「体育…?」



言われて思い出した。


そういえば今日、天王子の授業してるところ見てたんだった、みのりと。



私に気付いてた…ってことは、やっぱり目があったと思ったのは気のせいじゃなかったのかな。




「それが?」


「違うからな!」


「…はい?」


「あのとき俺がシュート外したのは逆に奇跡っつーか、ミラクルっつーか、たまたまだ、たまたま!」


「…はぁ…?」




何やら焦ったように捲し立てているけど、どうしよう。全く話が見えない。




「あの…天のう「言っとくけど俺は超絶サッカーうまいから!つーかスポーツは何でもできるんだけど?ほんと、顔もよくて頭もよくて運動神経抜群って、神様も罪なことするよな~」



私の話を全く聞こうとはせず、フッ…とアンニュイなため息をつく天王子。



うっとおしい。



何これ、自慢するためにわざわざ私のことつかまえたの?





「…どうでもいいけど早く帰れば?」



「は!?どーでもいいって何だよ!」



「だって女の子たち待ってるし」




ん、と校門を指さす。



校門の前では、女子たちが今か今かとプリンスのご登場を待ちわびていた。