「…て、天王子…!?」
すぐ真上に天王子の顔。
私の両腕は顔の横でしっかり床に押さえつけられていて、動かせない。
さっきの体勢とは全く、真逆。
まるで天王子に押し倒されてるみたいな…。
暗闇の中、天王子の瞳がキラリと光って見えた。
な、何…!?一体何なのこの状況!?
「…て、てんの…じ?」
やだ。どうしてだろう、声が震える。
私を見る天王子の瞳が、いつもとは全く違う温度を持っている気がして
こわい。
何で何も言ってくれないの…?
「あ、あのっ…」
「黙れよ」
天王子の掠れた声。
グ、
「痛っ…」
天王子の腕を押さえつける手に力がこもって、ゆっくりと顔が近づいてくる。
ま、まさかっ…
ギュッと思い切り目を瞑った。



