愛されプリンス½





慌てて天王子から離れようとした。



だけど



「きゃぁっ…!!」



ツルリと足を滑らして、あっという間に視界が反転する。




「おいっ…!」



天王子の焦った声がして。





転ぶっ…!!





ぎゅっと目を閉じて、来る衝撃に覚悟を決めた。




だけど。






……あれ?




来るはずだった衝撃はいつまでもこない。




恐る恐る目を開ける。




ていうか、なんか体の下、柔らかい…?





「…っいってぇ…」



「てっ…天王子!?何やってんの!?」





私の下で、天王子が苦しそうに唸ってた。




「はぁ?何やってんのって…お前のせいだろっ何やってんだよドアホ!!」



「ごっごめん…」




どうやら天王子は咄嗟に私を受け止めてくれたらしい。



…まさか天王子が私を助けてくれるなんて。





「…あ、ありがと、ごめん!」



「…別に…礼とかいいから、早く退け…」




暗闇の中で、パッと瞳がぶつかった。





そこで私はハタと思い出す。





そうだっ…今…裸っ…!!!





「ごっ!ごごごごめん!!すぐ退きっ、!?」




立ち上がろうとした私の後頭部を、グイッと天王子が強い力で押さえつけた。




早く退けって言ってたくせに、これじゃぁ身動きが取れない。





「て、てんの…わっ」





グ、と天王子が体を起こしたと思ったら。



再び、あっという間に視界が反転する。