「…え……」
何も見えない静寂。
だけど、外は相変わらず不穏に唸ってる。
こわい。
こわい。
こわい。
だれか。
「きっ…
ぎゃぁぁぁぁぁ~~!!!!!」
無我夢中で浴室から飛び出した私。
暗闇の中、ガラッと脱衣所の扉が開く音がした。
「おいっ大丈夫か!?今の悲鳴っ…」
飛び込んできた天王子が、私を見て足を止める。
「天王子っ…し、死ぬっ!!!」
そんな天王子に夢中でしがみついた。
「っ…おまっ…おいっ!!」
暗闇の中、天王子の焦った声。まさかこいつも停電でパニクッているのか。
「無理無理無理、雷無理だけど暗いのも無理っ!」
「だっ…ばかっ…無理なのはコッチだっ…」
よく見えないけど、天王子がパッと私から顔を逸らしたのが分かった。
「タオルくらい巻けっ…この変態!」
え。
そこで私はやっと、とある重大な事実に気付く。
私…今…全裸だ。
大事なことなのでもう一度言おう。
全裸だ。
「きっ…
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~!!」



