天王子はムカつくけど、
たしかにこんなに雷がゴロゴロ鳴ってる中、家で一人でお風呂というのはかなり怖いので、天王子にはリビングにいてもらうことにした。
お風呂に向かう前「絶っっ対に!覗かないでよね!!」と念押ししたところ、
「はっ、誰が覗くかよ興味ねーからそんなお子様ボディうぬぼれんな」と鼻で笑われた。
興味ねーって。
お子様ボディって。
いや「バリバリ興味あるわ俺実はけっこう好きなんだよねー、貧乳♡」とか言われても困るけど。ドン引くけど。
なんかめっちゃムカつくー!!
ガシガシガシッと怒りに任せて髪の毛を洗う。
怒りのおかげか雷の音はそれほど気にならなかった。
それからメイクを落として、顔を洗って、お気に入りの香りがするボディーソープで体を洗って。
湯舟につかる頃にはだいぶ気持ちも落ち着いてきた。
さ、体も温まったしそろそろあがろうかな。
穏やかな気持ちで湯舟から出た、瞬間だった。
バリバリッ…ドンッ…!!
空を引き裂く大きな音と、地響きと、バチッと音がして。
世界が真っ暗になった。



