「そろそろ…アレだ、風呂でも入ってくれば?」
なぜか私に背を向け、突如としてそんなことを言い始める天王子。
「え…風呂って」
私も立ち上がった。
「そりゃ入るけど。後で」
「今入ってこいよ?」
「は?何で?
天王子が帰ったら入るよ」
さすがに、家に天王子一人を残してお風呂っていうのは、ちょっと。
すると、はぁ…とため息をついた天王子が私を振り向いた。
ニヤリと口角をあげる天王子は、もういつもの天王子。
「俺が帰ってもいいんだ?」
「? どういう意味?」
「こーんな雷が鳴ってる中、一人で風呂って怖くねぇのかなーってこと」
バリバリバリ…ドンッ!!
「ひっ!!」
絶妙なタイミングで鳴った雷の音に、思わず頭を抱えた私を見て天王子がフッと笑う。
「ガキかよ」
くっ…やっぱり予想通りのことを言われた。
さっき抱きしめられたとき、不覚にも、もしかして私を安心させようとしてくれてる?とか、一瞬、ほんの0.000001秒くらい思っちゃったけど。
そんなわけなかった!



