「…べ、別に?何も?」
立ち上がろうとするけど
どうしよう…足に力が入らない。
耳をおさえる手もきっと震えてる。
髪に隠して見えないようにした。
「…もしかして雷こわいの?」
必死に誤魔化そうとしているのに、容赦なく核心をついてくる天王子。
「…べ、別に…こわいっていうか、苦手なの。少し!」
“少し”を強調したのはせめてもの強がり。
さっきより遠くの空で、また雷の唸る音がする。空から聞こえてくるはずなのに、地を這うような低い音。
「…それが少しっていう顔かよ」
ソファから立ち上がった天王子が近づいてくる。
やばい、絶対バカにされる。
絶対「ガキかよ」とか「怖がってもかわいくねぇーぞ村人E」とか言われる!
だから天王子には弱味を見せたくなかっ…
ギュッ
「……え」
しゃがみこんだ天王子に、優しくそっと抱きしめられた。
…これは…予想外。
「…あ、あの…?」
「ハグ。今日の分。まだしてなかっただろーが」



