「な、なんでっ!?まさかプリンスが来るなんてっ…!」
口を手で抑えたみのりが私を振り向くけど、勢いよく首を振って知りませんでしたアピール。
こないだ屋上では「面倒くさいから」って断固拒否してたくせに、何で…!?
みのりの隣では、華ちゃん達がざわめいている。
「あ、あれってまさか、朝倉学園のプリンス…じゃない!?」
「うそっ、モデルもやってるっていうあの!?」
「夢みたいっ、こんな所で会えるなんて…!!!」
女子たちのキラキラした熱視線を独り占めしたまま、天王子がみのりの正面の椅子を引いて座った。
チョン、と立ったままのみのりの服を引っ張ると、天王子を見つめたまま呆けたようにストンと腰を下ろす。
「遅かったじゃん玲」
手際よく「すみませんおしぼりもう一つ~」と店員さんを呼んだ水川が、天王子に話しかけた。
「ごめん、ちょっと迷っちゃってさ」
ハハハ、と爽やかな笑顔を炸裂させる天王子に女子たちの目が一斉にハートマークになったのが分かる。
「かっかわいい、道に迷うなんて…っ!!」
「こんなに美しいのに天然なの…!?」
「尊すぎる…!!」
…イケメンってほんと得だなぁ。



