そう言う天王子の声は、今まで聞いたことのないくらい、一番冷たい音をしていて。




「…天王子?」



天王子がフッと目線を下に移して私を見る。



そして忌々しそうにチッと舌打ちをすると





「つーか人に説教する前に自分のこと心配すれば?

男いたことあんのかよお前」




そう言う天王子は、もういつも通りの小憎たらしい天王子だった。




「う、うるさいなぁ。私だって男の一人や二人…」




いたことはない。もちろん。




「かわいそ」



フン、と天王子が笑う。




ムカつく。すげームカつく。





天王子が恋愛しようとしたくなかろうと、私は絶対、表裏のないめちゃくちゃ性格良い彼氏を作って幸せになる!!





そう決めた。