「腹減った。コンビニ寄りながら帰ろうぜ」



「別にいいけど。何買うの?」



「決まってんだろ、焼きそばパン」



決まってんだろって…



そういえばこないだ昼休みにも食べてたよな、焼きそばパン。




三ツ星レストランじゃなきゃ食事できねぇから、とでも言いそうなのに、意外と好物は庶民的だ。




「とっとと歩けノロマ」




と私に悪態をつきながら、爽やかな笑顔で周りの女子たちに手を振りながら出口へ向かう天王子。



ほんとに…コイツは。





呆れながら天王子の背中を追いかける。





見た目も振る舞いも王子様。



みんなに愛されてるけど、それはたったの半分で。




残りの半分は





「あー、かったるかった。キャーキャーうるせぇんだよアイツら」




スタジオを出た途端、スッと愛され笑顔は消えて。


残りの半分が顔を出す。




「はやく焼きそばパン食いてー。おい早く来いよ」




わがままで強引で俺様で。


焼きそばパンが好きで女アレルギー。