「…大騒ぎしてしまいすみませんでした」
その後、私が暴れだしたため撮影は強制終了となった。
頭を下げる私に、リュウさんがハハッと軽く笑う。
「いいよいいよ。いいショットたくさん撮れたしね」
「すみません…」
ちなみに天王子はというと、
「すみませんでしたリュウさん。村田さん、こういうのあまり慣れていなかったみたいで。ハハハ」
と爽やかに謝った後、
「チッ、あんぐらいのことで大騒ぎすんじゃねーよ面倒くせーな」
と私にだけに聞こえるボリュームで悪態をつき、スタッフと共にどこかへ消えた。
…そもそもの原因は全部オマエだっつーの!!!
怒りが収まらない私に、リュウさんが聞く。
「それより、一花ちゃんってホントに玲の彼女じゃないの?」
「じゃないです!とんでもないです!!」
「おー、さっきも思ったけどすごい否定すんだね。
でも、ならますます分かんないなぁ~」
リュウさんが意味深にそう言って、私の全身をジロジロ眺め回す。
「…な、なんですか」
居心地が悪い。
「…いや、あんな顔する玲は俺、はじめて見たからさ」



