…は。
天王子がおかしそうに口角を吊り上げた。
「何固まってんだよ。色気ねぇなー」
「わ、悪かったね…!」
「目とじろよ」
…さっきは俺のこと見てろとか言ってたくせにっ!
そんなことを思いながら渋々目を閉じた。
サラ、と頬に天王子の髪の毛が触れたのが分かる。
そして、おでこに啄むような柔らかい感触。チュッと小さく響いたリップ音―――
キャ~~~ッ!!と女子の悲鳴が聞こえた。
…ゆっくりと目を開けると、すぐ至近距離にあった天王子の茶色い瞳。
「……えっと。今、おでこに…」
「キスした」
「…は」
「いいだろ別に。口じゃないし」
不敵に笑う天王子。
その瞳には、愕然とする私が映ってる。
なっ…なっ…
「このっ…ドヘンタイ~~~ッ!!!」



