「ごめーん遅くなって」

そんな私の謝罪も無視に腕時計を見る翼

そんな所も絵になる。

「姫愛、車で行こっか」

「え?なんで?」

「もう時間がないだろ?」

「そうだけど…」

正直車で行くのは慣れないし変に目立つから嫌だ

でもそんなこと言ったら翼が嫌な気持ちになるよね

って余計なことを考えてたらあっという間に車

は私たちの目の前に止まっていた。うわぁー

高級車じゃんかよこれ、今までは翼に普通の車で

来て欲しいってお願いしたからよかったものの

朝だから執事さん達もそんなお願い聞いてられない

んだよねきっと。でも忙しい中来てくれただけでも

十分よかった。

「はい姫愛」

「え?」

「手」

「ん?」

「この車段差あるからさ俺の手捕まって乗ってよ」

「いやいいよそれぐらい」

「いいから早く」

私から見たらこんなの翼が王子様にしか感じなくて

翼はこんなの普通だと思うけど私からしたら変に

意識して翼の手に重なる自分の手を見るだけで

もう完敗だよ

無事乗ることができた私は翼にこうお願いしてみる

「あ、あのさ翼」

「ん?何」

「停めるところ校門の前にはして欲しくないんだけど」

「そんなわがまま聞かないよ」

「わがままじゃないもん」

拗ねてみたら翼は涼しそうな顔で

私の顎を掴みこう言う

「わがままお姫様の言うことは聞きません」

「ばっばか!私のファースト顎クイ奪わないで」

「ファースト顎クイってなんだよ」

苦笑する翼に私は今ものすごくときめいている

幼馴染だよ?幼馴染だと思ってたんだよ

なんかこれって好きみたいじゃん