「気に入ってくれたようで何より。」


!?

いつの間にか後ろに誰かいたようだ。

恐る恐る振り返ると、そこには一人の男が立っていた。その男は鴉のような真っ黒な髪に血のような深紅の目をしていた。俗にいうイケメンという奴だろう。

というかそれよりもこの男が自分をここに連れてきた誘拐犯なのだろうか。


「うん、そうだよ。俺がここに連れてきたんだ。」


!?
二度目のビックリ。声に出していないのにどうして考えていることが分かったのだろう。コワッ


「そりゃあ俺が読心術が使えるからね。」


なんと、二度目の読心術使ってきやがったこの男。
あ、口悪くなっているのは気にしないでね。


それにしても読心術か…あの赤ちゃんマフィアが使っていたという伝説の?


クッ 羨ましい… 


おっと思考がずれていってしまった。


たしかこの男は自分がここに連れてきたと言った。それは分かった、でもなぜここに、よりによって私を連れてきたのが理由が皆無だ。もっと他にいるでしょうに、こいつイケメンなんだから美女とか簡単に釣れそう。


いいなぁ美女がたくさんかぁ、私もイケメンになってハーレム作ってウハウハしたい。


ちくしょうっ神様はなんて不公平なんだ!
私も目の前の男みたいないけめんになりたかった!


イケメン爆発しろっというか爆発して、お願いだから。


「おほめにあずかり光栄だ。だが堂々と浮気宣言はいただけないなぁ。」

「は?浮気?誰が誰に。ていうかこの男と付き合った覚えねぇぞ。さっき会ったばかりだし。」


「お前忘れたの? 昔俺の嫁になるっていたじゃないか。」