「 懐かしい… 」

学校からの帰り道、冬の風にさらされて真っ赤になった頬を優しく包む電車の暖房が心地良い。いつものようにイヤホンをして、電車の壁にもたれかかっていた凪(なぎ)が、ふと眺めた窓の外でパラパラと降り始めている雪を見てぽつりと呟いた。
雪の季節に思い出す、あの時の彼の笑顔、キラキラな記憶たちを___