見られると喋りにくいなぁ。
なんて口が裂けても言えない。
「昨日ね、鈴音…お兄ちゃんの子供から電話があったの…」
「うん、それで?」
「今は施設にいて、急に静香さん…鈴音の母親が居なくなってって。それで私居ても立ってもいられなくて…」
泣くのをこらえながら話すって大変。
震える声をなんとか絞り出し、今日の出来事を話していく。
「帰りに…鈴音が泣いてたの…多分私と帰れるって。私もそう思ってた…鈴音と一緒にって…でも世の中そう甘くなくて…」
金銭面とか、今の現状だとか、全て鈴音を引き取るのは無理だと。
「…なんで」
ぐちゃぐちゃの顔を上げると、花ちゃんも一緒になって泣いてくれていた。


