「いやだぁ!かほちゃんいかないで!」 北口さんに抑えられながら、バタバタとして私の方に手を差し伸べる小さな手。 私馬鹿だ… 小さな期待を鈴音にさせて置きながら…その手を今は取る事ができないなんて。 涙を流す鈴音はきっと… 急に目の前から居なくなった静香さんとお兄ちゃんを私に重ねているのだろうか。 「………ごめん」 小さく吐いた言葉は鈴音には届かない。 私は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら、電車とバスを乗り継いで龍太さんとの家へと帰る。