「お、お兄ちゃん?わたし挨拶してもいい?」
元気さんの影から出てきた女の子は元気さんのことを【お兄ちゃん】と呼んだ。
あ、まさか……
「はじめまして。小御門晴香です。お兄ちゃんがお世話になってます」
フワッと笑った彼女、晴香ちゃんは向日葵のように輝いていた。
「あ、こちらこそ。私は」
「夏帆ちゃんだよね?噂は聞いてます」
「…噂?」
自己紹介をせずとも、晴香ちゃんは私のことを知っているらしい。
元気さんが私の話したのかな?
「うん!ポップコーン事件とかわたしたちの学年有名だったしね」
…あぁ、ジーザス。
そんな…ポップコーン事件ですと?
「名前とか出回ってたの…?」
「うん。夏帆ちゃんと花ちゃん?はわたしのクラスでは憧れ的存在だったよ?」
え?なにそれ!?
名前出回ってたとか。恥ずかしさマックス。
「あと色々伝説残してたよね」
クスクスと笑いはじめた晴香ちゃん。
あぁ、可愛すぎる!!
「私も晴香ちゃんのこと知ってる!」
「ほんと?」
「学年1、ううん。学校1可愛いって有名だったもん!」
いや、マジで。本気で。
今目の前にいるんだけど、マジで有名人みたいだもん。
車に乗っている私と、その外で立って話している元気さんと晴香さん。
なんともよくわからない光景。