ふわふわとした午後の昼下がり。

 五時限目を前にして、席に陣取っているのが愛羅と和寛、交替していた。

 いつもは愛羅が席に座っていて、和寛が何処かをふらふらしているのだが、今日は弥生に呼び出された愛羅は何処かに行っていて、替わりに和寛が席に座っている。

 ふわふわとした思考で以て、考え事をしていたのだ。

 五時限目は席替えということだったはずだ。
 それは、運が悪ければ愛羅と席が離れるということを意味しているわけで。

 夏哉たちが愛羅に近づいていこうとしていたら、一週間前、直接話したときのことを根に持ってだろう、和寛がじとっと睨むと離れていくのだ。
 席が離れてしまえば、その睨みも効かないということで。

(…………こうして改めて考えると…………こっち来てから、愛羅のとなりになってから、最早のめり込んでるような勢いで、愛羅に惚れ直してるよなぁ、僕…………………)

 考えて、ちらりと隣の机を眺める。

 上に乗っているペンケースは、ペンがたくさん入った大きめな、でんとしたもの。
 今まで意識していなかったものまで気になって仕方がなくなってしまった。