「あとは……………そうだな、他は自分で何とかするよ」

「いいの?じゃあ、行く?」

「……うん、行こう」

 先に立って歩き出した愛羅の後を追って、駅前の通りを歩いていく。
 しばらくして現れたショッピングモールは、こちらにいる頃よく行ったところで。

(…………さっきもそうだったけど、そんなにあっちに引っ越して経ってないのに懐かしく感じちゃうものなんだなぁ)

 自動ドアを入って、左へ。
 前に来たときとまたテナントが変わっていて、やっぱり時の流れを感じてしまう和寛だった。

 しばらく行って現れたカフェ&ブレッドとかかれたカフェに平然と愛羅は入っていく。
 その後を追って和寛も入っていくと、奥の方の席に先に陣取っている女子二人の姿を発見した。

「_____お。来た来た」

 そう言って、梨々香はヤッホーと言わんばかりに軽く敬礼してきた。
 和寛はそれに軽く手を上げることで応じ、その隣に座っているすらりとした少女に目を移す_______咲乃だ。

 久しぶりの再会、変わりすぎの外見に目を見開いている。
 和寛は苦笑いをして肩をひょいっと上げると、愛羅に倣って一つのパンとアイスコーヒーを買い、受け取ってからその席へと足を向けた。

「………お待たせ」

 パンとアイスコーヒーを置いたお盆を机に置くと、愛羅の隣に腰かける。
 ふぅ、と一息を吐いてから、和寛は未だ目を見張っている咲乃と目を合わせた。