「何?」

「いや…………夏哉って、よく愛羅んとこ行くよね。愛羅、あの子のことどう思ってるの?」

「………さっき、加藤くんに和寛について同じこと言われた」

 え?と和寛は溢す。

 その少し間抜けな顔に、愛羅はぷっと噴き出して笑い、え、と再びキョトンと溢した和寛の横で、くすくすと愛羅は笑い転げる。

「ちょ、ちょっと待って……………じゃあ、愛羅って僕のこと、どう思ってるの?」

「え、ど、どうって………………良い友達だと、思うけど?」

 和寛は愛羅の言葉に数回目を瞬かせて「あー、うん。そっか」と溢す。

 よく状況が呑み込めていない愛羅を他所に、何やらぶつぶつと呟きながら和寛は考え込む。

「………どうかした?」

「いや、んー………何でもない…………。愛羅さ、今日の部活、行く?梨々香は?」

「うん、私も梨々香も行くよ」

「……………そっか。なら僕も行こうかな」

 笑顔でそう言って、和寛は自分の机から台本を引っ張り出した。
 それを見て愛羅も台本を出すと、ページを捲る。