「もー、何考えてたのよおっそい!!ぼーっとしちゃって。何かあったの?」
半分怒ったような表情をする梨々香に、あなたたちのことですとは言えまい。
「い、いや、ちょっと、ね…………」
「ちょっとじゃなくって!」
それでも心配してくれているのであろう梨々香には「ホントに何でもないって!大丈夫だから!!」と笑顔で和寛は言った。
愛羅は何故か梨々香に隠れるようにして我関せずといった感じで顔を背けていた。
「で?梨々香も結構良い役もらったんじゃん」
「んー、まぁ、ね。でもちょっと私には重すぎる気もするけど。和寛だって、入ってすぐに準主役じゃん。私自身、それで和寛がやっかまれたりするんじゃないかと思ったけど、杞憂だったようで良かったわ」
講堂を出て、校門の方向へと進む。
普段よりは空は明るく、今ならもし顔が赤くなっても誤魔化せるだろうなぁと考えてしまうほど鮮やかなオレンジに包まれていた。
「………で。愛羅と和寛、何があったのよ? この前までああだったのに」
ああと言って梨々香は虚空を指差し、くるくる、まるでそこにこの前の日常でもあるかのようだった。
和寛はというと今まで浮かべていた笑顔がスッと消え失せ、愛羅は顔を背けたまま肩をビクッと揺らした。
半分怒ったような表情をする梨々香に、あなたたちのことですとは言えまい。
「い、いや、ちょっと、ね…………」
「ちょっとじゃなくって!」
それでも心配してくれているのであろう梨々香には「ホントに何でもないって!大丈夫だから!!」と笑顔で和寛は言った。
愛羅は何故か梨々香に隠れるようにして我関せずといった感じで顔を背けていた。
「で?梨々香も結構良い役もらったんじゃん」
「んー、まぁ、ね。でもちょっと私には重すぎる気もするけど。和寛だって、入ってすぐに準主役じゃん。私自身、それで和寛がやっかまれたりするんじゃないかと思ったけど、杞憂だったようで良かったわ」
講堂を出て、校門の方向へと進む。
普段よりは空は明るく、今ならもし顔が赤くなっても誤魔化せるだろうなぁと考えてしまうほど鮮やかなオレンジに包まれていた。
「………で。愛羅と和寛、何があったのよ? この前までああだったのに」
ああと言って梨々香は虚空を指差し、くるくる、まるでそこにこの前の日常でもあるかのようだった。
和寛はというと今まで浮かべていた笑顔がスッと消え失せ、愛羅は顔を背けたまま肩をビクッと揺らした。
