「____主人公、ジェニミール役、佐々木愛羅ちゃん。準主人公、カエミル役、井崎和寛くん!」
テスト明け、講堂で二週間ぶりに集まった演劇部で、春祭の役発表会が執り行われていた。
マイクを持っているのは弥生で、少し辺りは騒がしい。
最初、続けて名前を呼ばれた愛羅と和寛ははたと目を合わせてふいっと逸らした。
「ジェニミールの姉、サラ役、私、高橋弥生。ジェニミールの友人アリスティーヌ役、山本梨々香」
それでも役の発表は続いていく。
今まで名前のある役をもらったことの無い梨々香は、目をぱちくりとさせて拳を握りしめていた。
と言うよりも、少しギクシャクとした愛羅と和寛の関係は、あの日、中三の頃のイジメの話をして愛羅が泣いてしまった、順位発表の日から数日続いているものなのである。
愛羅の方は、思わず泣いてしまったことを恥ずかしがってわたわたとし、和寛はというと、あの後梨々香から聞いた話が頭の中に巣食って離れなかったのだ。
テスト明け、講堂で二週間ぶりに集まった演劇部で、春祭の役発表会が執り行われていた。
マイクを持っているのは弥生で、少し辺りは騒がしい。
最初、続けて名前を呼ばれた愛羅と和寛ははたと目を合わせてふいっと逸らした。
「ジェニミールの姉、サラ役、私、高橋弥生。ジェニミールの友人アリスティーヌ役、山本梨々香」
それでも役の発表は続いていく。
今まで名前のある役をもらったことの無い梨々香は、目をぱちくりとさせて拳を握りしめていた。
と言うよりも、少しギクシャクとした愛羅と和寛の関係は、あの日、中三の頃のイジメの話をして愛羅が泣いてしまった、順位発表の日から数日続いているものなのである。
愛羅の方は、思わず泣いてしまったことを恥ずかしがってわたわたとし、和寛はというと、あの後梨々香から聞いた話が頭の中に巣食って離れなかったのだ。