正義が悪に負ける時



「ただ、4ヶ月程前から月に何度か、

今回の現場となったビジネスホテル“ラード”を利用していた事が判明しました。

映像解析班が期間を遡って確認を続けていますが、

ホテルの防犯カメラにも幾度となく滝川の姿が映っています。」



この場にいる捜査員、そして川辺課長が滝川の隣に貼ってある女性の写真を見た。


「よし、では次に梶山フユミについて報告を。」


その言葉と同時に、
別の捜査員が立ち上がる。


「はい。梶山フユミ 29歳。
住所は・・・。」



手元の捜査資料には今回の被害者2人目、梶山フユミの自宅の地図がプリントされていた。


現場となったホテル“ラード”からは結構な距離だ。


ホテルの駐車場には彼女の車も停まっていたし、随分と遠くまで運転してきたようだな・・。


「・・・職業はムコウジマ総合病院の看護師。

皆さん、病院関係者へ聞き込みをする際は、

旧姓“里田フユミ”の名で聞き込んで頂いた方がスムーズですのでご記憶ください。」


梶山フユミについて調べていた捜査員が着席すると、先程喋った捜査員が再び立ち上がった。


「映像解析班の確認作業が続いていますが、

滝川がホテル“ラード”を利用していた日、

もれなくこの梶山フユミもホテルの防犯カメラに映っています。

二人は日常的にこのホテルで会っていたと考えてまず間違いありません。」