正義が悪に負ける時



「この部屋に飾られているたくさんの写真。

フユミさん1人か、お母様とフユミさんの2ショットばかりですね。

ご主人はいつもカメラマンだったんですか?」


「・・・いえ・・私の両親、主人の両親がよく撮ってくれました。」



母親の言葉を聞き、
真田さんが察した顔をする。


「ご主人とフユミさんは関係が悪かったんですか?」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


「・・・それ・・以前の問題でした・・。

娘に・・興味を持ってくれませんでしたから・・あの人は・・。」






母親は静かな口調で、
絞り出すように話し始めてくれる。


不妊治療を続け、
ようやく授かったのがフユミだった事。

父親は“男の子”が欲しいと強く願っていた事。


産まれてきた当初は父親らしく振る舞っていたけど、

段々と家庭内で口数が減っていった事。


フユミの方は積極的に父親へ話し掛け、
関係改善に努めていたけど、

結局父親は娘が死んでも尚、
変わらなかった事。