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「里田さん・・・。
来てくれたんですか・・。」
「・・・・お線香・・上げても・・いいですか?」
「勿論です。
祖母もきっと喜んでますよ。」
通夜を終え、
祖母が入った棺の前で一人座っていると、
仕事を終えたフユミが駆けつけてくれた。
「・・・・・これで・・僕は独りぼっちになりました・・。」
どうしてこんな重たいことを言ってしまったのか。
でも・・僕はすがりたかった。
この哀しみをぶつける何かに・・・。
ただすがりたかった。
真っ先に思い浮かんだ人物。
その人がまさに現れ、せきを切ったかのようにとめどもなく涙が溢れた。
僕の体を抱きしめてくれたフユミ。
祖母は最期に、
僕に生きる希望を遺してくれた。
人間不信・・いや女性不信を乗り越える勇気を遺してくれた。
そんな事を思いながら、祖母が眠る前で僕達は涙を流して抱き締めあった。



