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「こんにちは梶山さん。
あ、キコさん今ちょっとお薬が効いて寝ちゃってるかなぁ~。」
「こんばんは梶山さん。
お仕事大変そうですね・・。
・・あ、ホントは面会時間過ぎてるんだけど内緒ですよ。」
「お疲れ様です梶山さん。
今日はキコさん凄く調子が良くて、さっき一緒に屋上まで行ってきたんですよ~。」
祖母の看病で病院へ行く度、
フユミは僕に話し掛けてきた。
入院患者の家族への報告。
彼女は看護師としての仕事を全うしていただけだったかもしれないけど、
僕にとって、
それはありがた迷惑だった。
そう思っていたはずなのに・・・
深い闇に包まれていた心は、フユミと話す度に晴れていくのを感じていた。
首元、口、鼻。
もう僕には無理だと思っていたはずなのに、目線は段々と上がっていき、
いつの日か、
僕はフユミの目を見ながら話していた。
女性と話す度に震えていた体は次第に治まっていった。
いつの間にか・・・僕は彼女と笑いながら世間話をしていた。



