正義が悪に負ける時



「・・・ウウッ・・・・・・・。」


「・・・スッ・・・・スッ・・・。」



何も言葉を交わす事無く、
僕達は抱き締めあった。


出し切ったはずの涙が溢れ、
僕はその後ずっとマコに謝り続けた。


でもそれ以上に・・マコが僕に謝ってきた。



「・・あの子を残して・・・・・
・・・死にたく・・ないよ・・・。」


「お金は・・お金は僕が何とかするから・・!

アキラが何不自由なく育っていけるように、僕の給料全部アキラの為に使うから・・!」


「・・ごめんね・・・
・・ゲンちゃん・・・。」


「・・・・・マコ・・!!」







病室を出た後、
マコの両親に土下座をした。



“『認知しない』という誓約書がある以上、

もうあんたからお金を受け取るわけにはいかない”


そう言われたけど、

“これからもお金を送り続ける”
と突っぱねた。




“今さら『アキラの父だ』と名乗らせはしない”


そう言われて、喜んで了承した。

もう手紙も要らない。
こちらから一切の連絡もしない。


マコを、そしてマコのお腹にいたアキラを見捨てた・・・・

この腐った“滝川”の血が入っているとアキラに知られるぐらいだったら、

僕は一生“赤の他人”になっているほうが嬉しかった。