椿己はふとLINEを見た。

愛咲日からのメッセージだ。
「振ったの?」
椿己は事前に話し合っていた事を確信すると共に、戸惑いながらも、「うん」と返事をした。

続いて、愛咲日が「実はさ」と切り出す。
「おれ、蘭と付き合ってるんだよね」
椿己は友達から聞いていたとはいえ、急に現実を突きつけられたようで落ち込んでしまった。

きっと愛咲日は知っていただろう。
椿己が蘭のことを好きであることを。

蘭の幼なじみである愛咲日は蘭との関わりも深い。
そう、椿己は愛咲日に負けてしまっているのだ。
それから、この春休みに椿己VS愛咲日の戦いが始まったのである。

椿己は彩葉のことも心残りながら自分の中で愛咲日に宣戦布告した。

(負けられねぇ)