強く光り輝く満月の夜

多くの大人が倒れていた。

何十人、いや、何百人と。

それも血を流しながら、生きている大人は誰もいない。

その真ん中に佇む一人を少女がいた。

少女は、空を見上げて満月を見ながら、何かつぶやいた。

その姿は、さなぎから羽化した美しいアゲハ蝶のようだった。