「今度、心愛ちゃんも誘って外に出ようよ!」
私の提案に、さちはるも博人も頷いた。
「うん、そうしよう。気分転換にもなるし、何より二人がいたら喜ぶよ」
博人は笑った。
「あ!ね、ちょっと外出ない?さちはる、今日は店休みでしょ?」
「うん、そうだけど…どうしたの?」
さちはるの店は今日は休みなのだ。
この機会を利用して、心愛ちゃん目線で…とはいかないかもしれないけど、
アイマスクで見ていた世界を思い出して、外にはどれだけの危険があるのか歩きながら考えてみたいと思った。
それを二人に伝えると、快く承諾してくれた。
「うん、それいいね。心愛ちゃん目線で、うん。いいよ、保乃果はたまにはいいこと言うんだな」
「たまには、ってなによ!酷いわね」
私は拗ねた。
「はいはい、拗ねない拗ねない」
さちはるが私の頭をぽんぽんしてくれるけど、あまり嬉しくない。
博人にぽんぽんしてほしい。
そう思って博人をじっと見ていると、
「仕方ないな…」
と、私の頭を撫でてくれた。
嬉しいな。でもちょっと、いやかなり罪悪感。心愛ちゃんの悲しむ顔が目に見えてくるようだ。
ごめん、心愛ちゃん。
でも、大丈夫。
変なことはしてないから。
それから私達は、街へ出た。
地下鉄に乗る前には、そう、階段。
「あー、階段は大変そう。手すりがあるといっても…」
「本当。私なら怖くて降りれない」
「エレベーターを探さないといけないよな」
階段を降りて地下鉄を待つ。
ここまでは、なんとか乗り越えられる。エレベーターを探せば、なんとか。
でも大変なのはここから。
「あ、来たよ!」
さちはるの声が響く。
地下鉄が到着し、落下防止扉がぴろんぴろんという音とともに開く。
そして地下鉄に乗り込み、席に座る。
「んー、」
「どしたの、保乃果」
「さちはる、地下鉄に乗る前、大変じゃん」
「そうだよな」
博人が腕を組んで言った。
「目が見えなかったら、段差とかもわからないし…乗る時、ほら、少し隙間があるじゃん。地下鉄が止まってるところと、自分たちが足をつけてるところってさ」
「あー、うん」
さちはるが頷いた。
「私達は見えてるからどのくらいの距離だとか、どのくらいの隙間が空いてるからこのくらいの歩幅で乗ろうとか考えるけどさ」
「見えないと、わからないもんな。見えるからこそわかって乗れるけど、全く見えなかったら怖くて乗れない」
「そ。博人の言う通り。…心愛ちゃんって、杖持ってるよね?」
「うん、持ってるよ。外に出ようとしないから、使うことはほとんどないけど」
杖というのは、盲目の人がよく点字の上をかつかつ、と辿っていく白と赤の踏み切りのバーみたいな模様の杖のこと。よく点字の上を辿ってわかるものだなと思う。
「心愛ちゃんは、点字の上を辿らないの?」
「うーん、辿ってもわかんないと思うんだよね」
「そっか…」
そうだよ。心愛ちゃんは最近まで見えていたんだから、そんなことをする訓練なんてしているわけじゃない。
最近まで見えていたから、急に見えなくなって距離感もわからなくなった。
私の提案に、さちはるも博人も頷いた。
「うん、そうしよう。気分転換にもなるし、何より二人がいたら喜ぶよ」
博人は笑った。
「あ!ね、ちょっと外出ない?さちはる、今日は店休みでしょ?」
「うん、そうだけど…どうしたの?」
さちはるの店は今日は休みなのだ。
この機会を利用して、心愛ちゃん目線で…とはいかないかもしれないけど、
アイマスクで見ていた世界を思い出して、外にはどれだけの危険があるのか歩きながら考えてみたいと思った。
それを二人に伝えると、快く承諾してくれた。
「うん、それいいね。心愛ちゃん目線で、うん。いいよ、保乃果はたまにはいいこと言うんだな」
「たまには、ってなによ!酷いわね」
私は拗ねた。
「はいはい、拗ねない拗ねない」
さちはるが私の頭をぽんぽんしてくれるけど、あまり嬉しくない。
博人にぽんぽんしてほしい。
そう思って博人をじっと見ていると、
「仕方ないな…」
と、私の頭を撫でてくれた。
嬉しいな。でもちょっと、いやかなり罪悪感。心愛ちゃんの悲しむ顔が目に見えてくるようだ。
ごめん、心愛ちゃん。
でも、大丈夫。
変なことはしてないから。
それから私達は、街へ出た。
地下鉄に乗る前には、そう、階段。
「あー、階段は大変そう。手すりがあるといっても…」
「本当。私なら怖くて降りれない」
「エレベーターを探さないといけないよな」
階段を降りて地下鉄を待つ。
ここまでは、なんとか乗り越えられる。エレベーターを探せば、なんとか。
でも大変なのはここから。
「あ、来たよ!」
さちはるの声が響く。
地下鉄が到着し、落下防止扉がぴろんぴろんという音とともに開く。
そして地下鉄に乗り込み、席に座る。
「んー、」
「どしたの、保乃果」
「さちはる、地下鉄に乗る前、大変じゃん」
「そうだよな」
博人が腕を組んで言った。
「目が見えなかったら、段差とかもわからないし…乗る時、ほら、少し隙間があるじゃん。地下鉄が止まってるところと、自分たちが足をつけてるところってさ」
「あー、うん」
さちはるが頷いた。
「私達は見えてるからどのくらいの距離だとか、どのくらいの隙間が空いてるからこのくらいの歩幅で乗ろうとか考えるけどさ」
「見えないと、わからないもんな。見えるからこそわかって乗れるけど、全く見えなかったら怖くて乗れない」
「そ。博人の言う通り。…心愛ちゃんって、杖持ってるよね?」
「うん、持ってるよ。外に出ようとしないから、使うことはほとんどないけど」
杖というのは、盲目の人がよく点字の上をかつかつ、と辿っていく白と赤の踏み切りのバーみたいな模様の杖のこと。よく点字の上を辿ってわかるものだなと思う。
「心愛ちゃんは、点字の上を辿らないの?」
「うーん、辿ってもわかんないと思うんだよね」
「そっか…」
そうだよ。心愛ちゃんは最近まで見えていたんだから、そんなことをする訓練なんてしているわけじゃない。
最近まで見えていたから、急に見えなくなって距離感もわからなくなった。

