「でも...」 「君は、学校一のピアニストだよ。」 彼のその顔は、美しく、 優しさに満ちていた。 「なんか、わかった気がする。 答えが、わかっちゃった。」 探し物が見つかれば、 この世界にはもう来ないだろう。 「ありがとう。僕もだよ。」 彼の目から、一筋の涙が流れた。 私が言おうとした「ありがとう」は、 彼がいなくなった空間に虚しく響いた。 —————————